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BUS STOP No14 まさに最新の安全技術を搭載! 日野自動車『セレガ』14年モデル

進化した安全性がここに! 新しい『日野セレガ』

2014年6月18日(水)、日野自動車の「セレガ」14年モデルの試乗会が、同社の羽村工場(東京都羽村市)内にあるお客様テクニカルセンターで開催されました。「ドライバーモニター」の技術を体験したり、試乗によって衝突被害軽減ブレーキ「PCS(プリクラッシュセーフティ)」を体感できるなど、さまざまな角度から最新の技術を実感。衝突をできるだけ未然に防ぎ、重大事故を減らすために、さらに「安全」なバスの姿を追い続ける取り組みを取材しました。
多くのバス会社の方々とともに、プレゼンテーション映像や試乗から学んだことを、簡単にまとめてご紹介します。

■トータルセーフティ推進の拠点から、多くの有益な情報を提供!

●情報発信の拠点、お客様テクニカルセンター

試乗会は、お客様テクニカルセンター・研修棟の2F研修室からスタート。開会のごあいさつでは、バス部長の柴垣勇さんから「安全装置やドライバーモニターに対するお客様の関心が高く、試乗会を開催してほしいという多くのご要望にお応えするために、このような機会を設けています」とのお話がありました。その後、お客様センター室長の浅見充興さんから、映像を用いてお客様テクニカルセンターについてのご紹介がありました。ここではさまざまなお客様に合わせた講習メニューが作成され、専門スタッフによる省燃費運転講習や安全運転講習などが行われています。これまでの受講者は、なんと延べ5万人以上! もちろん新型車両を体感して、その運転性能や安全技術を確かめることもできます。

お客様テクニカルセンターのコンセプトは、お客様に”いつでも””乗って・学んで・試して”もらえる施設。
研修室にはプレゼンテーション機器が完備しています。

●痛ましい事故を少しでも減らすための努力

続いて、シャシ機構設計部グループ長の一ノ瀬直さんから、「セレガ」14年モデルの説明が行われました。「バスは年間44億人を運び、人々の移動を支えている大切な社会インフラ。したがって高い安全性を備えていることがたいへん重要です。また、2012年4月の関越道におけるツアーバス事故を契機に、貸切バスの安全に対する世の中の意識と市場ニーズが急上昇しました。2013年には、新高速乗合バスの制度がスタートするなど、各種安全規制が強化されています。こうしたことを受けて、2014年の『セレガ』リニューアルモデルでは、先進安全装置のさらなる強化が行われています」とのことでした。

ロックゲートの閘室内壁面にロープで固定される「SKY DUCK」号

映し出される資料を見ながら、新しい「セレガ」の特徴などを把握

■衝突被害を軽減するために開発された数々の技術

●衝突回避機能を新たに追加した「PCS」

そして、衝突回避機能が追加された「PCS」、新しく装備された「車線逸脱警報」「ドライバーモニター」などの説明が行われました。
衝突時の速度を抑え、衝突被害の軽減に寄与する「PCS(プリクラッシュセーフティ)」には、新たに衝突回避を支援する機能を搭載。走行中にミリ波レーダーが、低速で走行する先行車を検知・分析し、追突の恐れがあると早いタイミングでフル制動して衝突回避のサポートを行うものです。
また、「車線逸脱警報」は、車線からの逸脱を高解像度の画像センサーがとらえ、警報によってドライバーの注意を喚起するシステム。白線の高い認識精度を実現し、ドライバーの注意力低下による事故防止への貢献をめざしています。

※”PCS” “VSC”はトヨタ自動車(株)の登録商標です。

●走行コースで「PCS」を体感する試乗説明

「セレガ」14年モデルの説明の後は、お客様センター室の三浦一郎さんから、後に行われる試乗の概要説明が行われました。参加者がA班とB班の2つに分かれ、A班が試乗して「PCS」を体験している時は、B班は外から車両の停止状況を見学するというプログラム。「PCS」のシステムのみでブレーキが作動する場合、「PCS」の警報音に気づいたドライバーがブレーキ操作を行った場合、そして、前方に移動する障害物があった場合の、3つのパターンを体験できるというメニューでした。

■特に関心が高かった最新技術「ドライバーモニター」

20分弱にまとめられた「セレガ」安全技術ビデオを視聴

●「セレガ」の安全技術ビデオで
 「車両ふらつき警報」なども紹介

休憩を挟んで、1Fへと移動。B班はまず研修室で「セレガ」の安全技術ビデオを鑑賞。「セレガ」に搭載されている「車両ふらつき警報」「スキャニングクルーズⅡ」「VSC(車両安定制御システム)」などについても学びました。この後、A班と交代して、「ドライバーモニター」の実体験へと移ります。

●参加者から感嘆の声が聞こえた「ドライバーモニター」の実演

新しく採用された「ドライバーモニター」は、走行中のドライバーの顔の方向や眼の状態をモニターカメラが常時確認し、前方への注意力不足を検出し警告するシステム。さらに衝突の可能性が高まると、PCSが早期に作動します。
1Fの展示ギャラリーでは、参加者が実際に「セレガ」の運転席に座り、「ドライバーモニター」を体験しました。正面を見ていない場合などには、警報音と表示で警告。高精度のカメラは、太陽光やサングラス着用の影響下でも正確にドライバーの顔を検出することができます。

茨城県・関鉄観光バスの運転手さん茨城県・関鉄観光バスのバスガイドさん

実際の眼の動きや、よそ見をした場合などを
「ドライバーモニター」で確認

参加者が交代で運転席に座り、
他の参加者はその様子を
大型モニターでリアルタイムに観察

■実際に体感する「PCS」は、新たな安全性への大きな一歩

●3つのパターンでの比較によって、それぞれの違いを体験

その後、外へ出て、いよいよ「PCS」の試乗体験へ。説明を受けた後に、まずはA班が「セレガ」に乗り込み、ブレーキ制動の様子をB班が見守るというデモンストレーションが行われました。

「セレガ」14年モデルの前方に、クルマの代わりとなる停止障害物を設置。バスは70km/hで接近し、まずは「PCS」のシステムのみが作動し、ドライバーが回避行動を行わない場合が試されました。「PCS」のブレーキによって、バスは減速しながら障害物を通過して完全に停止しました。

続いて、バスが70km/hで接近し、「PCS」の警報に気づいたドライバーがブレーキ操作を行った場合。バスは急減速し、ドライバーが回避行動を行わない場合に比べて、はるか手前で停止しました。路面状況等にもよるため、必ずしも衝突を避けられるものではありません。

最後に、前方障害物が30km/hで走行する後ろを、バスが60km/hで接近した場合(相対速度差30km/h)。ドライバーはブレーキ操作を行っていませんが、新たな安全技術の搭載によって、見事に衝突が回避されました。

●重大事故を回避するための瞬間を体験

続いて、A班に代わってB班が車内へ。ご案内のアナウンスを聞き、車内モニターも確認しながらの試乗となりました。停止状況はA班の時とほぼ同じでしたが、「PCS」のブレーキが作動した時よりも、ドライバーがブレーキを踏んだ時に、より強いG(減速度)を感じました。

茨城県・関鉄観光バスの運転手さん茨城県・関鉄観光バスのバスガイドさん

「セレガ」14年モデルに乗り込み、
ブレーキを体感するB班のメンバー

運転席の右側に、指向性のある専用スピーカーを設定
乗客には必要のない各種警報音が、
客席に届かないように改善されました


取材後記

試乗会の最後には質疑応答の時間が設けられ、たいへん活発な質疑応答がなされました。具体的な走行ケースを想定した質問がされるなど、なんとかして安全を守りたいという多くのバス会社の方々の真摯な想い…使命感がひしひしと伝わるものでした。このような安全技術が進歩を重ね、普及していくことで、悲惨な事故が少しでも減る手助けになるようにと願わずにはいられません。


衝突被害軽減ブレーキの標準装備車
・三菱ふそう:新型「エアロクィーン」、新型「エアロエース」
・いすゞ:新型「ガーラ」
・日野:新型「セレガ」

平成26年度衝突被害軽減ブレーキ等の補助制度(下記補助対象装置を装備した事業用バス車両の導入)
・国の補助制度
  ① 衝突被害軽減ブレーキ 上限15万円
  ② ふらつき注意喚起装置、車両逸脱警報装置、車線維持支援制度装置 上限5万円
  ③ 車両横滑り防止装置 上限10万円
 *同一車両に複数の装置を装備する場合 上限30万円
  http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/01asv/esc_26.html

・日本バス協会の補助制度
  衝突被害軽減ブレーキ装備車 10万円(定額)

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