運輸事業振興助成交付金
制度
昭和51年4月に軽油引取税の暫定税率が導入された際、公共性の高い営業用バス・トラックの輸送力の確保、輸送コストの上昇の抑制等を図るため、都道府県バス協会・トラック協会等において、安全確保事業、サービス改善事業、環境対策事業、適正化事業等を実施するために措置されたもので、都道府県が都道府県バス協会・トラック協会へ運輸事業振興助成交付金を交付し、都道府県には国から地方交付税による補填措置が講じられる制度となっています。
なお、平成23年度までは、各都道府県バス協会に交付された交付金の一部(昭和51~平成2年度:40%、平成3年度以降:20%)を当協会(中央)へ出捐し、中央事業を実施していましたが、平成24年度からは中央出捐を中止し、各都道府県バス協会における地方事業の充実を図っています。
制度の透明性の確保について
制度の透明性の向上及び交付基準額の確実な交付を確保するため、平成23年8月30日に「運輸事業の振興の助成に関する法律」(平成23年法律第101号)が公布、9月30日に施行されました。また、この法制化にあわせ、当協会が行う交付金中央事業の円滑かつ適切な実施及びその透明性の確保のため、第三者評価機関の評価を受けることとし、「運輸事業振興助成交付金審議評価委員会」を設置しました。
運輸事業振興助成交付金の使途
政令において次のように定められています。
- 輸送の安全の確保に関する事業
- サービスの改善及び向上に関する事業
- 公害の防止、地球温暖化の防止その他の環境の保全に関する事業
- 適正化に関する事業
- 共同利用に供する施設の設置又は運営に関する事業
- 震災その他の災害に際し必要な物資を運送するための体制の整備に関する事業
- 経営の安定化に寄与する事業(基金を設けて行うものに限る。)
- 全国を単位とする一般社団法人であって、1.から7.までに掲げる事業を行うものに対し、当該事業に要する資金を出捐する事業
- 1.から8.までに掲げるもののほか、特定運輸事業の振興に資する事業で国土交通大臣が総務大臣と協議して定めるもの
交付金額の推移
制度創設以降、令和4年度までに各都道府県から都道府県バス協会に交付された交付金の総額は、次のとおりです。
事業
1.中央事業(日本バス協会事業)
令和6年度予算 409,200千円
(ア)バス輸送改善推進事業(359,200千円)
次の3つを中心に事業を推進しています。
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バス利用の促進
(輸送サービス改善)- バスターミナル、バスロケーションシステム等の整備
- ICカード普及促進
- 地方路線バス及び貸切バスの中古車購入に対する助成
- バス利用安全促進広報事業など
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バリアフリーの促進
- 人にやさしいバス普及促進(ノンステップバス、リフト付バス等)導入助成
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環境・安全対策等の促進
- 環境にやさしいバスの普及促進(ハイブリットバス、CNGバス等)導入助成
- 安全なバスの普及促進(衝突被害軽減ブレーキ装備車)導入助成
- 運転者人材確保対策(大型二種免許取得養成助成事業)
(イ)融資斡旋・利子補給事業(50,000千円)
次のとおり融資斡旋・利子補給事業を行っています。
- (i)融資斡旋枠各都道府県バス協会毎に設定
- (ii)利子補給率
令和6年度(借入利率1.0%以下は対象外)
資金使途 | 借入期間 | 利子補給期間 | 利子補給率 |
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バス車両購入資金(新車) | 5年以内 | 3年以内 | 0.6% |
施設整備資金 | 3年以内 | 借入期間に同じ | 0.5% |
退職金支払資金 | 3年以内 | 借入期間に同じ | 0.5% |
運転資金 | 1年以内 | 借入期間に同じ | 0.4% |
注:バス車両購入資金は新車購入が対象です(中古車購入の場合は、施設整備資金扱いになります。借入期間及び利子補給期間は3年)。
2.地方事業(都道府県バス協会の自主事業)
都道府県バス協会においては、地方事業として、バス停上屋、停留所標識、案内板等施設整備及び種々の安全対策等を実施しており、乗客のサービス改善、安全運行の確保等に大きく寄与しています。
全国の都道府県バス協会全体の地方事業の実施状況は、次のとおりです。